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2009年6月26日 (金)

親日or親英?

5月に投稿した日英に対する非協力の記事で、
『パール真論』(小林よしのり著・小学館)P.69に「そもそもガンジーは1942年4月の時点では、日本の勝利を確信し、日本と手を結ぶために、非常に親日的な決議草案を書いていた!ガンジーが『日本の帝国主義』を非難し始めたのは、日本が6月、ミッドウェー海戦に負けて、急に手のひらを返してからだぞ!」との記述を紹介し、決議草案の全訳を載せました。
『パール真論』の参考文献である『インド独立』(長崎暢子著・朝日新聞社)P174~5では、「アラハバード草案の構図であった、〔イギリス軍の撤退--インドの独立--日本との中立条約の締結〕はいまや完全に裏返しにされ、〔イギリス権力は撤退するが、インドは連合国の軍隊と防衛条約を結び、イギリス軍を含んだ連合国の軍隊が駐屯する〕という内容に方向が変わった」と断定してあります。そして、その根拠として1942年6月14日付のハリジャン紙から次の文が引用されています。
 「臨時政府の最初の行為は、侵略諸国に対する防御作戦のための条約を連合国と結ぶことでありましょう」
 「もし私に予想される国民政府を指導する力があるとすれば、連合国のインド亜大陸駐留をきちんとした条件で黙許するのが一番助けになることでしょう」
 なお、「黙許するのが一番助けになることでしょう」の原文は、"there would be no further assistance save the toleration"ですから、「容認することを除いて、それ以上の支援は考えられません」となるべきでしょう。
 引用元の1942年6月14日付のハリジャン紙を翻訳しました。この中でガンジーは、「ファシズムやナチの勢力と、連合国の間にどんな相違点も見出せません。どの国も搾取者であり、自分達の目的を達成するために必要とされることなら、無慈悲なこともあえてやる国ばかりです」と述べています。果たしてガンジーは、親日から親英へと豹変したのでしょうか?

Q. 貴方は英国が直ちにインドから撤退することを要求しています。その後インドはすぐに国民政府を樹立することになるのでしょうか。その場合、インド政府を構成するのは、どのような集団、政党になるでしょうか。
A. 私の提案は英国に対してです。インドが何をして、何をしないかには全く関係なく、英国政府が行動することを求めています。英国の撤退によって一時的に混乱しても仕方がないとさえ、私は思っています。しかし、もし撤退が規律正しく行われるならば、撤退後直ちに現在の指導者たちによって、臨時政府が設立されるでしょう。しかし、別の事態が生じるかもしれません。国のことを全く考えずに、自分達のことばかり考えるような人たちばかりが、権力を求めて、荒れ狂う力を動員して、何とかしてどこかで覇権を握ろうとするかもしれません。英国の政権が、完全かつ最終的撤退を誠実に実行してくれた場合に、賢明な指導者らが自分達の責任を自覚して、当面の相違点に目をつぶり、英国の政権が残していったものを用いて、臨時政府を設立してくれることを願います。どの政党、どの個人を委員に入れるか入れないかについて、決定する権力が存在しないわけですから、自制するということが指針となります。その場合、おそらく会議派、ムスリム連盟、藩王国の代表者にその役割が任されるでしょう。そして、臨時国民政府設立について、緩やかな合意ができあがっていくでしょう。これら全ては、どうしても推測の域を出ません。これ以上はなんとも言えません。
Q. そのインド国民政府は、日本や他の枢軸国に対抗して連合国がインド領内に軍事基地をおくことを認めますか。
A. 国民政府が設立され、私の期待に応える政府であるなら、まず最初にやることは、侵略軍に対する防衛作戦のために連合国と条約を結ぶことでしょう。インドがどのファシズム勢力とも関係をもたないことが、共通の目的となるからです。さらに、インドは道義的にも、連合国を支援することが義務となるでしょう。
Q. このインド国民政府は、ファシズム勢力を相手に戦っている現在の戦争において、さらにどのような支援を連合国に提供することになるでしょうか。
A. 想像上の国民政府をいかほどでも指導する立場に私があるとすれば、きちんと条件を取り決めた上で、インドの領土に連合国が存在することを容認する以上の支援は考えられません。当然のことですが、インド人が個人として支援するのであれば、ぜんぜん構いません。兵士に志願したり、金銭的支援をしてもらっても構いません。英国の政権が撤退すると同時にインド軍は解体されるということを理解しておいてください。さらに、もし私が、国民政府の委員会に所属し、発言できるとしての話しですが、あらゆる権力、権威、資源は、世界平和をもたらすために活用されることになるでしょう。しかし、国民政府設立後は、当然のことながら、私の声は、荒野の呼び声でしかないでしょう。そして、国粋主義のインドは、戦争に夢中になるかもしれません。
Q. インドと連合国とのこのような協力関係は、同盟条約を締結することによるのがよいのか、それとも相互支援の合意でよいとお考えでしょうか。
A. この質問は、全く時期尚早だと思います。いずれにしましても、条約によって規制される関係であろうと、合意であろうとたいした違いはありません。どんな違いもあるとさえ思えません。
 私の立場を要約させてください。1つのことが、私にとっては1つのことだけが、揺れることなく確かです。つまりそれは、連合国側の勝利を確保するためには、国家群でも多民族集団でもない1つの偉大な国がこのように不自然に屈服した状態にあることをやめねばならないということです。連合国には、道徳的基盤が欠けています。ファシズムやナチの勢力と、連合国の間にどんな相違点も見出せません。どの国も搾取者であり、自分達の目的を達成するために必要とされることなら、無慈悲なこともあえてやる国ばかりです。アメリカも英国も、非常に偉大な国家です。しかし、アフリカであろうとアジアであろうと、物言えぬ人々を前にしたとき、その偉大さは地に落ちてしまいます。この偉大な国々が、これらの国々だけが、誤りを正す力を持っています。自らの汚れた手を洗い清めない限り、人間の自由などについて語る資格はありません。必要とされる禊が行われれば、それが成功への確かな保証となります。と言いますのも、これらの国々は、公言していなくても、確かに、アジアやアフリカの物言えぬ人民の願いを代弁することになるからです。そうなってこそ(それ以前ではありません)、新しい秩序のために戦っていると言えます。これが現実です。それ以外のことはすべて、思惑に過ぎません。しかし私があえてこうしたことを書きましたのも、私の善意を検査するためでありますし、私の提案が意味することを明確に説明するためでした。
ハリジャン 1942年6月14日

 

以上が、ハリジャン紙の内容です。「インドは道義的にも、連合国を支援することが義務となるでしょう」は、英国が撤退し、インドの独立を認めた場合、それに感謝を表明する意味で支援するということだと、私には思われます。そして、連合国の軍隊の駐留についても、確かにガンジーの妥協ではありますが、「条件を取り決めた上で」のことであり、無条件での駐留を認めているわけではないと思われますが・・・

Q. You ask the British Government to withdraw immediately from India. Would Indians thereupon form a national government, and what groups or parties would participate in such an Indian Government?
A. My proposal is one-sided, i.e., for the British Government to act upon, wholly irrespective of what Indians would do or would not do. I have even assumed temporary chaos on their withdrawal. But if the withdrawal takes place in an orderly manner, it is likely that on their withdrawal a provisional government will be set up by and from among the present leaders. But another thing may also happen. All those who have no thought of the nation but only of themselves may make a bid for power and get together the turbulent forces with which they would seek to gain control somewhere and somehow. I should hope that with the complete, final and honest withdrawal of the British power, the wise leaders will realize their responsibility, forget their differences for the moment and set up a provisional government out of the material left by the British power. As there would be no power regulating the admission or rejection of parties or persons to or from the council board, restraint alone will be the guide. If that happens probably the Congress, the League and the States’ representatives will be allowed to function and they will come to a loose understanding on the formation of a provisional national Government. All this is necessarily guesswork and nothing more.
Q. Would that Indian national government permit the United Nations to use Indian territory as a base of military operations against Japan and other Axis powers?
A. Assuming that the national government is formed and if it answers my expectations, its first act would be to enter into a treaty with the United Nations for defensive operations against aggressive powers, it being common cause that India will have nothing to do with any of the Fascist powers and India would be morally bound to help the United Nations.
Q. What further assistance would this Indian national government be ready to render the United Nations in the course of the present war against the Fascist aggressors?
A. If I have any hand in guiding the imagined national Government, there would be no further assistance save the toleration of the United Nations on the Indian soil under well-defined conditions. Naturally there will be no prohibition against any Indian giving his own personal help by way of being a recruit or and of giving financial aid. It should be understood that the Indian army has been disbanded with the withdrawal of British power. Again if I have any say in the councils of the national government, all its power, prestige and resources would be used towards bringing about world peace. But of course after the formation of the national government my voice may be a voice in the wilderness and nationalist India may go war-mad.
Q. Do you believe this collaboration between India and the Allied powers might or should be formulated in a treaty of alliance or an agreement for mutual aid?
A. I think the question is altogether premature and in any case it will not much matter whether the relations are regulated by treaty or agreement. I do not even see any difference.
  Let me sum up my attitude. One thing and only one thing for me is solid and certain. This unnatural prostration of a great nation?  it is neither ‘nations’ nor ‘peoples’?must cease if the victory of the Allies is to be ensured. They lack the moral basis. I see no difference between the Fascist or Nazi powers and the Allies. All are exploiters, all resort to ruthlessness to the extent required to compass their end.  America and Britain are very great nations, but their greatness will count as dust before the bar of dumb humanity, whether African or Asiatic. They and they alone have the power to undo the wrong. They have no right to talk of human liberty and all else unless they have washed their hands clean of the pollution. That necessary wash will be their surest insurance of success, for they will have the good wishes---unexpressed but no less certain---of millions of dumb Asiatics and Africans. Then, but not till then, will they be fighting for a new order.  This is the reality. All else is speculation. I have allowed myself, however, to indulge in it as a test of my bona fides and for the sake of explaining in a concrete manner what I mean by my proposal.
Harijan, 14-6-1942

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